現実と向き合いながら解を探る、
新たなる挑戦。(2/3)
NR-Power Lab ――ラボとして歩んだ3年間の成果とともに
NR-Power Lab株式会社 代表取締役社長 中西 祐一 , 取締役 兼 事業開発部長 原田 忠克
ジョイントベンチャーだからこその切磋琢磨
NGKとリコーの両社だからこそ可能になったことを聞かせてください。
NR-Power Lab株式会社 取締役 兼 事業開発部長 原田忠克(以下、原田):リコーは複合機・プリンターといった事務機器を主軸に、オフィスで働くお客様へのお役立ちを視点にビジネスを展開してきました。現在はデジタルサービスの会社として進化を続け、IoT領域のサービス開発を強みとして、新たなビジネス分野への取り組みを積極的に行っています。NGKはセラミック技術を核に電力インフラ分野を支えるハードウェアの技術に強みを持ち、NAS電池という現在の系統用蓄電池の先駆者として取り組まれておりました。
それぞれ異なる強みを持つ2社が手を取り、電力分野における新規ビジネスとして、「VPP(バーチャルパワープラント)」と「電力デジタルサービス」のビジネス開発を共に始めることができました。さまざまな技術開発とともに顧客開拓も行うお客様先での実証検証を並行して行うこと自体が、1社では成し得なかった取り組みだったと感じております。業界の黎明期であり、まだ大きな成功を見たプレーヤーがいないこの分野とはいえ、いち早く参入した競合がいるなか、その競合にはない強みを備えたビジネスモデルを構築できたのは、2社だからこそ、IoTとハードウェアの強みを組み合わせて作り上げることができたと思っております。
文化社風の違いも感じることはありましたが、逆に新たな刺激を受けながら開発できたと感じており、ジョイントベンチャーだからこその切磋琢磨ができたと思います。
中西:NGKは、碍子やNAS電池に代表されるように、電力システムの根幹を支えるハードウェアや制御技術を長年にわたり積み上げてきました。一方でリコーは、IoTやデジタル、データ活用を通じて、見えないものを可視化することを強みとしてきました。
このように得意分野の異なる企業が、再生可能エネルギーの普及に不可欠なVPPや電力デジタルといった共通テーマに対し、具体的な姿を描く挑戦を同じ組織を通じて行えたことこそ、両社が手を組んだ最大の意義だったと考えています。ハードウェアだけでも、デジタルだけでも解決が難しいテーマであり、両社の強みを存分に生かすことができた取り組みだったと思います。
両社の文化や意思決定のプロセスに違いはありましたが、しかしその一方で、完璧さを待つのではなく、社会実装に近づけるための判断ができたのも、この違いがあったからこそだと感じています。合弁会社という中立的な立場だからこそ実現できたバランスであり、その点にも大きな意味があったと捉えています。