FROM LAB

次世代に解を挑戦のプロット

PROJECT REPORTS 007

2026.04.15

現実と向き合いながら解を探る、
新たなる挑戦。(1/3)

NR-Power Lab ――ラボとして歩んだ3年間の成果とともに

NR-Power Lab株式会社 代表取締役社長 中西 祐一 , 取締役 兼 事業開発部長 原田 忠克

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理想論としてではなく社会で動く仕組みとして実証

NR-Power Labのこの3年間を振り返って、どのような歩みでしたか?

NR-Power Lab 代表取締役社長 中西(以下、中西):技術開発と社会実装の距離をいかに縮められるかに、挑戦し続けた3年間でした。

 NR-Power Labは、メーカーであるNGKとリコーが出資する会社です。そのため、机上の検討や開発で完結するのではなく、開発したシステムを実機として現場で試し、修正を重ねながら前に進む方法を取ってきました。その意味で、歩みは決して直線的でも順風満帆でもありませんでしたが、「現場で使えるもの」という結果にこだわり続けた3年間だったと考えています。

 私たちは「今の技術で解を導き、将来に課題を先送りしない」というスタンスを大切にしてきました。完璧な解を待つのではなく、不完全であっても前に進む選択を重ねてきました。立ち上げ当初は、VPPや電力デジタルといったテーマに対し、どこから手を付けるべきかを探るところからのスタートでした。その過程で、開発した技術をどのように実フィールドで試すかという難しさを痛感すると同時に、現場にこそ次の解があるという確信も得ました。

 地域新電力や自治体、パートナー企業の皆さまにご協力いただいた実証は、単なるPoCではありませんでした。共創パートナーも含めた社会実装に向けた、具体的な学習の場だったと捉えています。技術的に可能なことと、社会の中で、たとえば経済性だけでなくビジネスモデルやスキームとして実際に使っていただけることとの間には、常にギャップがあります。その差をどう埋めるかに、私たちは向き合い続けてきました。

 結果として、NR-Power Labは一つの会社として区切りを迎えます。しかし、ここで得られた知見やネットワークは、両出資者の課題解決において今後も活用されていきます。3年間は決して長い時間ではありませんでしたが、次のステージにつながる十分な密度を持った時間だったと感じています。

■NR-Power Labが「開発目的の会社」として活動した3年間の成果
VPPや電力デジタルといった共有テーマを技術や理想論としてではなく、社会で動く仕組みとして実証を通して具体像にできたこと。

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